3人かける4人で12人?

先日何気なく tweet したこの問題、「そもそも何が問題なんだ?」という問い合わせが多かったのでまとめてみた。

掛算の順序とは違う話だけど、「人が縦4列、横3列に並んでいます。全部で何人ですか?答え:12人」という問題の「単位」について考えだすと、これまたややこしい話になって面白い。これは以前森博嗣が話のネタにしていた。
@kuboon
Ohkubo KOHEI


前提 1: 単位は等号の左右で辻褄を合わせなければいけない
例えば時間と速さから移動距離を求める計算は、単位だけで書くと
[s]x[m/s]=[m]
となる。ここで、sは秒、mはメートル。m/sは秒速メートル。
/ は割り算を表す記号だ。[s]と[m/s]を掛け算すると[sm/s]となり、sを約分して[m]。で、右辺とぴったり等しくなる。

体積を表す単位「立方メートル」は、[m3]と書くが、これは[m]x[m]x[m]という計算によって得られる値であることを示している。

ちょっと複雑な例としては、[m2]x[m/s]x[s]=[m3] なんていう計算も考えられる。
これも、左右でちゃんと辻褄があっていることがわかるだろう。ちなみにこの式は「注射器を一定の速度で一定の秒数だけ動かした時に押し出される液体の量」という式だ。

すべての等式は、単位についても左右等しくなければならない。(逆に、単位の辻褄があってれば必ず意味のある数式になるかというとそんなことはない)

前提 2: 対称なものは、交換可能でなければならない
長方形の体積を求める式は「縦x横x高さ」と覚えるが、長方形の置き方を変えるだけでどれが縦でどれが高さかは簡単に変わってしまう。しかしそれでも長方形の体積は変化しない。こんな時、「縦と横と高さには対称性がある」と言う。
対称性のある事象を式にした場合、式にその対称性がかならず表現される。

以上2点を踏まえ、問題の状況をもう一度じっくり考えてみよう。

人が校庭にずらっと並んでいる。何人いるか数えたい。
高いところから見れば、ただ数えればいいだけなのだが、そういうふうに見ることはできないということにする。
で、人の行列を、 まずは正面から見る。
3人見える。3人のむこうに、何人かずついるけど、向こう側に何人ずついるかは隠れてて見えない。
次に、ぐるっと4分の1周歩いて行って、側面から見る。
4人見える。4人それぞれの向こうに何人かずついるけど、やっぱり隠れて見えない。

3とか4とかいうのは、このような断片的な情報だ。最終的に求めようとしている答えの単位が [人] であるならば、3や4につけるべき単位は [人] 未満の単位であるほうが自然だろう。また、3 と 4 は対等な情報であるから、同じ単位であるほうが良い。

と、このように考えれば答えは明らかだ。

3 [√人] x 4 [√人] = 12 [人]

これですべての辻褄が合う。

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