笑って酷いことを言う

人を軽く揶揄するのに使われる表現である。
しかしながら、そう悪いものでもない、と僕は考えている。

長い付き合いをしてゆく仲間同士にあっては、時には「酷いこと」を口にしなければならないシーンがあるだろう。
例えば、もらったプレゼントが気に入らないとき。黙って喜んだフリをついついしてしまうが、また同じ人物からプレゼントをもらう機会があるなら、評価は正確に返してあげたほうがお互いの為だ。
あるいは、他人なら目を瞑るような悪い癖だとか。友人だからこそ指摘してあげようということもあるだろう。

重たい言葉を伝えようとすると、ついつい意気込んで、改まった静かな場をわざわざ用意してみたり、畏まった書面に書き連ねたりしてしまいがちだ。しかし実際は、そういった空気を作ったが故に重たくなってしまうのであって、過剰な重みはしばしば意思疎通の障壁になってしまう。

むしろ重たい言葉こそ、軽く伝えるべきだ。特に、人を動かす立場の人間はその能力が問われる。

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