春霞


土手には桜の並木があって、舞い散る花霞の中に透き通った人影。
少し歩くとカフェがあって、ガラスの向こうに透明なシルエット。
視界の端がむやみに敏感で、すれ違う全ての顔を無意識に数える。
春の記憶が生暖かくそよぎ、思わず振り返るけれど君は何も知らない。

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