京都観光

朝、8時前に到着。まだ、どこに行くか決めてない。
適当に当たりをつけて、バスで東へ。寺を巡るというより、ひたすら町並みを歩く。
円山公園のしだれ桜に差し掛かったが、惜しい。まだ咲いてなかった。060325_090047 (Medium).jpg

ほんの少しバスにのって北へ。またまた町並みを歩く。いちおう、南禅寺には寄った。水道へ登ると、そのままずっと水流をさかのぼってゆく道が続いていた。なかなか気持ち良い。

中学の修学旅行で初めて京都へ来た。今はとてもそんなことする気にはならないが、どの順番で何番のバスに乗ってどこで降りるか、事前に全て計画を立て、バスの時刻表まで調べてタイムテーブルに記入した。そういう、綿密な計画、というのが教育の一環だったわけだ。それはさておき。そのときたまたま、金閣寺の近くにあった「おむらはうす」というオムライス専門店に行くことになった。それが、びっくりするほどおいしくて、ずっと店の名前が記憶に残っていた。

それから10年近く経ったある日、家族で京都へ行った。僕はおむらはうすを思い出した。とにかくおいしかった気がする、という、あやふやな記憶を当てにして、家族を連れて行った。これは賭けだった。良い思い出は、そっとしておいたほうが良かったかもしれない。中学生の頃の「おいしかった」なんて、まったくもって信用できるものではない。でも、真実を知りたくて、僕は店に向かったのである。

これが、やっぱりおいしかったのだ。都内で大手チェーン店や、松本楼のような老舗でそれなりにオムライスを食べてきた後でも、まるで幻滅することなく楽しませてくれたのだった。

そんなエピソードがあって、この日も「おむらはうす」へ行った。金閣寺前ではなく、出町柳店へ行ったが、ちゃんとちゃんと、おいしかった。

そこですこしゆっくりして、旅行雑誌をぱらぱらとめくった。北野天満宮で毎月25日に骨董市がある、という活字がふと目に入った。今日じゃん。ラッキーだ。早速バスで向かう。

お祭りに定番のジャンクフード類や射的類のほかに、奇妙なガラクタの数々が並んでいた。境内には梅が満開。ようやくお花見気分に浸ることが出来た。

昼食が遅かったこともあって午後は短い。1つ、行きたい博物館があって、閉館時間が迫っていたので直行。バスで30分ほど。
間に合わなかった。警備員と話をしていた、僕より少し年上くらいの青年が「これも何かの縁ということで、ちょっとカフェに寄っていきませんか?オープンしたばかりの、僕の店なんです。」というので、二つ返事で店へ向かう。京都国立博物館の正門から道を挟んだ丁度向かい側。落ち着いた雰囲気を保ちつつも遊び心に溢れていて心地よかった。店長(さっきの青年)と、今朝からの道程についていろいろと話を交わした。「この後はどちらかへ行かれるんですか?」というので、ライトアップをいくつか調べたのだが、お勧めはどこか、と尋ねた。
「青蓮院(しょうれいいん)が良いですよ。」
候補には挙がっていなかったが、地元の方が言うなら間違いなかろうということで、日の落ちる直前にカフェを出て、バスで北東へ。バスを降りる頃には良い感じに暗くなっていた。道行く人が皆無。不安になって地図を調べたが、どう見ても合ってるし。10分弱で到着。
期間外だった。3月頭から中旬と4月上旬から下旬の開催、ということで、今日は期間外だったのだ。店長め。気さくないい人と思わせてニセ情報をつかませるとは。

こんなとき、如何に素早く気分を切り替えられるかが、旅を楽しむコツである。候補に挙がっていた高台寺まで徒歩20分ほどということで、南へ南へ歩き始めた。
ひたすら町並みを歩く。円山公園のしだれ桜に差し掛かった。朝、一度見たあの桜だ。もう一度来るつもりは全然なくて、たまたま通り道だったのだ。それも、もし青蓮院がちゃんと期間内だったら、そのまま二条城へ向かっていたところだ。

朝はつぼみだったしだれ桜が、暗闇の中、桃色の枝をゆらりと広げ、静寂を際立たせるほどに優雅に浮き上がっていた。

朝、円山公園に寄ったが桜がまだ咲いていなかったこと、夜は高台寺に行こうと思っていること、この2つの情報から、店長は巧妙に計算してこのサプライズを僕に送ってくれたのだ。としたらちょっと凄い。まあとにかく、数倍の喜びでもって楽しめたのだった。060325_191921_svga.jpg

高台寺も実に良かった。幾何学模様の掘り込まれた砂庭に鋭角のライトがあたると、その陰影がますます数学的で美しかった。

欲張って二条城へ。21時ぎりぎりの到着見込みだったが、土日は時間延長があったおかげでセーフ。二条城って広いんだな。それこそ中学以来で、全然記憶に残ってない。こんな都心に広大な空き地を残しておいて良いのだろうか。良いけど。決して満開とは言えなかったけれど確かに僅かにピンクに染まった桜が、遠くで青々とたたずむ竹林が、石垣に映し出された水面のゆらぎが、まだ肌寒い京都の夜に人々を惹きつける。

ライトアップを堪能して、あとはどうにかこうにか翌朝まで時間をつぶす。四条川原町のあたりが、ほとんど渋谷のように深夜でも賑やかだった。手ごろなバーに入った。
ほどなく、僕等の他に客がいなくなり、長居するのは悪いかとも思ったが、手品を見せたらとても喜んでくれてなんだかんだでバーテン達と盛り上がり、仕舞いには氷を削り出すのを実演してくれたり。ハート型は初めて見た。
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明朝6時。外は寒かったが眠さ限界を感じて店を後に。22時間耐久観光に幕を閉じ、鈍行で久喜へ向かう。こっくり、こっくり。。。

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