アーカイブ ‘ 2005年 11月

bravia advert

CGの表現力が一般人の想像力を超える時代に突入してかれこれ2~3年ほどだろうか。シロウトが「こんな映像表現ができないかな」と思いつくようなことは全部実現できてしまっているという意味だ。その上をいった代表作が「マトリックス1」であろう。モーフィングの特殊な使い方で、時間を止めたままカメラアングルを動かすということをやってのけた。
あれ以来、アクション映画はそのスピード感の表現に独自性を出すために様々な技術的工夫を凝らすようになった。一方でファンタジーやSFモノはうっかりすると実物が存在するかのようなリアリティを持つに至りつつあるし、先日見たFinal Fantasy Advend Children は、生身の人間以上に魅力的な俳優、女優がフルCGの世界で実現してしまう日もそう遠くない、と予感させるものだった。プラトンの言うところの「イデアの世界」が実際に映像化できるのである。少なくともスクリーン越しには、生身の人間に勝ち目は無いといってよいだろう。

そんなCG万々歳のこの時代に、「スーパーボール25万個を実際に野外でばらまく」ということをやってのけたのが、Sony bravia のCMである。これだけ聞くととんでもない手間のかかることに思えるが、冷静に勘定してみるとおそらく同等のCGを作るより安いであろう。
安いだけではない。CGでは恐らく表現し得なかったことが、この映像には含まれている。倒れるドラム缶、はじけ飛ぶ木材、たたずむ犬のフシギそうな表情。「現実」という無限にopenな系において、計算を超えた事象が起きる。そうなのだ、せっかくのchaosも、計算機の中ではまるでカゴの中の小鳥のごとく。

Artistという偉大な人種がいて、次々と生まれる作品を見て、ようやく僕は「やりつくされたことなど、何一つない。」と、思える。

Robert Sabuda

blogウォッチング中にたまたま遭遇し、ちょっとした興味でRobert Sabudaの本(aa)を調べ、その場で3冊注文。恐竜図鑑と、アリスと、クリスマス。先日届いたのだが、

正直、本でこんなに感嘆したのは初めてだ。てかこの内容でこの値段はお買い得すぎる。じわじわ買い揃えてしまうかも。

静岡文化芸術大学祭

そもそも、学園祭というイベントが好きだ。徒歩5分のところに真新しい大学があって、しかも芸術系とくれば俄然期待。
年に一度、否、当人たちにしてみれば一生に数度しかない発表の場、という刹那に、しばしば結晶化したエネルギィを垣間見る。たとえ技術的に幼くても、魂を削って生み出されたモノというのは、なんとなくそれが伝わってくるものだ。作品であっても、演技であっても。
たまたま東京の友人即興役者のなおたん(男)が浜松に寄るというので一緒に行って来た。時間があまり無い中で無計画に歩き回ったのでいろいろと見損ねたものはあるかもしれないが、見た中で印象に残ったものを。

** 「赤い靴」自作絵本。押し付けがましくない暖かさが心地よかった。きっと読む機会はないと思うのでストーリーを書いてしまえ。小さな女の子が、母親と出かけた先で赤い靴を忘れてきてしまう。赤い靴は別の人に拾われ、売られ、捨てられ、流されて、長い旅を経て、ある日ついに、持ち主の女の子のもとへとたどり着いた。赤い靴は喜んだが、少女はもう大きくなっていて、まさか自分の靴だとは覚えていないようだった。けれど少女はその靴を水の流れから拾い上げ、暖かい地面の上に揃えて置いた。靴は、嬉しかった。。。。と。そんな話。ほんとは綺麗な絵がちゃんとついてるんですよ。

** トンボ1000体
数だけで勝負しようとする作品は基本的に嫌いだが、まあ、綺麗だったので仕方が無い。

**書道部
以前、日芸大書道科の卒業展覧会を見たことがあったが、そのときの印象と比べると微笑ましい感じ。(失礼。)でも、象形文字みたいにアレンジした作品があってそれが面白かった。

**ザ・ベストテン
という形式のバンドライヴイベント。アナウンサが本格的で驚いた。バックに流れる映像が馬鹿馬鹿しくてけっこう笑った。

**社会人聴講生親睦会
絵や書道や彫刻等など雑多な作品群が展示された教室。レベルの高さに圧倒された。タダモノではない。オトナになってからわざわざ芸術大学に入学するくらいだからそれなりの方々なのであろうが。。。
サリー(でいいのか?)の着付けコーナがあって、面白がってなおたんと二人で着せてもらって王冠かぶって写真を撮ってもらった。小さな女の子が「本物の王様みたーい!」と言ってくれたが、それは多分王様像が狂っているので訂正してあげたいところだ。

**技術造形
ちゃぶ台から導線が出てスピーカに繋がっている。「心行くまでひっくり返してください」と看板。ゆっくり傾けていくと、ドンガラガチャーン!今日、最高に笑った作品だった。

静岡大道芸フェスティバル

いちおう静岡県民になったことだし、一度くらい行かねばなるまい。どちらかというと、いままで一度も行った事がなかったのがおかしい。
というわけで、珍しく上京を断念して週末の一日を費やした。パフォーマンスは非常に楽しめたし、しばらく会っていなかった先輩諸氏と出会うことも出来たりで、とても有意義な一日となった。
以下、各パフォーマごとに感想。 続きを読む

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