なぜ日記を書くのか
ひとことで言えば、自己紹介の代わりです。
長い長い自己紹介を、日々少しずつ書き続けている、と言っても良い。
人間ひとりをまるまる表現するのに必要な情報量に比べて、せいぜい3分のスピーチはあまりに短い。プロフィールやアンケートなどといった箇条書きの文書で、いったい僕の何%が描写できるというのだ。(しばしば、項目自体が気に入らない。なぜそんなに血液型を知りたがるのかと。)
世の中には、「先入観」と「印象」の区別もつかない人が驚くほどたくさんいて、足りない分の情報を勝手にステレオタイプで補った上であたかもその人から受けた印象であるかのようにごっちゃに記憶し、ある日さも当然のように「家事とか全然しない人だよね」などと事実無根の断定発言をしてくるので困りモノである。そういう人たちには、いわゆるプロフィールの項目に書くような情報は出来るだけ教えたくない。
代わりに、日々の思考の断片を通して、僕という人間を直視してもらいたいわけ。
そんなコンセプトで僕が日記の公開を始めたのは2000年の9月。古い日記はもはや他人のようで、自分で読み返すのもちょっと面白い。