“博士の愛した数式”

読み出しがいきなり感動的だった。そう感じる人は多くないかもしれないが、少なくとも僕にとっては。これはもう、間違いなく僕の好みの類の作品だ。本屋でふと目について、ちょっと覗いてみるだけのつもりが、3時間で立ち読みきってしまった。
博士の、つぼを押さえた魅力が心地よく。純粋なルート君の生き方も気持ちよい。野球をもっと知っていたら、さらに楽しめたかもしれないけれど。

僕は”博士”と違って飽きっぽいので、ほかの事に熱中しているとすっかり押入れに放り込んでしまうが、そう、僕もかつて、数字と数学を愛し、素数にときめく少年だった。
exp(πi)+1=0 はかの有名なオイラーの公式。僕が出会ったのは、たしか中学3年のころだったろうか。まだ対数がよくわからなかったが、虚数の謎を追い求める矢先で出会った。
衝撃的に美しかった。

そういえば、数学志向を書いたのは、もう2年前か。

帰り道、いろんな言葉を頭の中でひっくり返しながら夜道を歩いた。家に着くまでの13分間で、作品が一つできた。
「飛び魚 背びれも恋しい 木漏れ日背負う人」
なかなかロマンチックで良くない?

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