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Trick with BLOG: written by Kuboon.
Wed
12
Jan '05

“ベルヴィル・ランデブー”

“Belleville Rendez Vous”
独特の雰囲気はなかなか良かった。嫌いではない。
タイトル曲は結構はまる。歌詞も悪くない。
セリフ無しで必要な情報を最小限の表現で伝えてゆく感じはなかなか心地よかった。シャンピオンが自転車を手にするまでの描写とか、もうぎりぎりの細切れだが、成立している。
コメディのセンスは、好きな部類だがもっとあっても良かったような気がする。自動車のタイヤ修理のシーンは秀逸だったなぁ。まずヒントが提示され、なんとなく予想がつくのだが、一番見たい部分を巧妙に隠しながらオチをひっぱる。
多くの人から好評を得たという老三姉妹のステージのシーンは、まあ、普通に見たら楽しいのかもしれないけど、ST○MP(意味無し伏字)を舞台で見たことある人には、別に、ふぅん、って感じだろう。てか、ぜんぜんSTOMP未満だし。アニメーションなのだから、実世界を越えて欲しかった。冒頭のフレッドアステアくらいやってくれなきゃ。

思い返してみると、実は一番最後の「これで終わりだよ」のシーンが、なかなか巧妙だ。シャンピオンのトレーニングになぜ同じ速度で母がついてこれるのかとか、誘拐とか、手榴弾とか、ナンセンスな要素の数々が、実は意外と、ああ、なるほどね、って。

え、まだわからない?じゃあ解説しよう。以下、映画を見た人もしくは見る気のない人向け。

要は、物語全体が、寝たきりの母にシャンピオンが語って聞かせた即興だったってことが最後の最後に明かされるわけです。それ自体はまあよくありがちというか、夢オチの一種なので目新しくないのだけれど、一部のナンセンスに説得力が生まれてくるのが面白い。
つまり、母に語って聞かせていたわけだから、シャンピオンよりも母が主人公になっていて、母の活躍が描かれるのは当然。シャンピオンの過酷なトレーニングを母がずっと後ろから見守っている、なんていうのは、映像化したからあんなにおかしな情景に見えるが、語りとしてはありそうな話で。
あんなにものすごいトレーニングをしたのに本番の成績がまるでダメなのは語り手であるシャンピオンの控えめな性格が反映されているのかもしれないし、それを補うかのようにマフィアの誘拐へと話が脱線してゆく様子も、いかにもその場の思いつきで話しましたっていう雰囲気がよく出ている。
とにかく、普通じゃない大きさの船。誇張表現をするとき、全体のバランスなんて考えない。素直に映像化すると、あんな感じに浮きそうもない異様な船になるってわけ。
蛙の捕獲方法とか、ここぞというシーンで手榴弾が再登場するところとかも、いかにもでしょう?

  1. befounddead Says:

    ベルヴィル・ランデブー
    LES TRIPLETTES DE BELLEVILLE
    (2004年フランス/ベルギー/カナダ)
    2005/2/4@テアトルタイムズスクエア

    アニメって好きじゃありません。色々機会があって、TVでやってたとか友達に連れられて…

  2. SLOBlog Says:

    ベルヴィル・ランデブー 
    ベルヴィル・ランデブー
    おフランス映画だから、アニメと言えども坦々と(普段いかに坦々麺と変換してるのかがわかるね・笑)、淡々としたストーリー展開なのかしら、とあまり期待…

  3. hit_me_ Says:

    はじめまして。遅ればせながらTBさせていただきました。
    そういうオチだなんて全く気がつかなかったものですから、こちらの記事を読んでも一瞬納得がいかなかったのですが、徐々に徐々になるほどなぁ、と思えてきて、今はじんわりときています。
    すごいなぁ、どのあたりで気付かれたのですか?

  4. みっこ Says:

    最近テレビでやっと
    「ベルヴィル・ランデブー」をみることができました。

    私はこの記事の「シャンピィオンの即興説」はちょっと違うんじゃないかなーと思います。

    まず関係が母と息子ではなくて祖母と孫ですよね。

    おばあちゃんが寝たきりである描写はどこにもないし、あのラストのシーンはやはり孫が幼い頃、祖母になげかけられた質問に、長い年月をかけてようやく答えた…と解釈するのが妥当だと思います。

    奇妙な人間や物、手榴弾なんかは、まあアニメだからなんでもありでしょ、ということだと思います

    長々と書いてしまいましたが、まあ映画の解釈は人それぞれなので、一つの意見としてサラッと読んで頂けたらうれしいです☆

  5. Kuboon Says:

    >祖母と孫
    あれ、そうだっけ。。まあ、説には無関係ですね。

    >おばあちゃんが寝たきりである描写
    こういった「タネあかし」的な部分を最後の最後まで伏せておく、とうのはよくある話じゃないでしょうか。

    >アニメだからなんでもありでしょ
    アニメ映画は数あれど、ベルビルならではの独特の描写が多くあって、「即興説」のスタート地点はそこです。
    船があのカタチになるというのは、デッサンとしては途方も無い突拍子の無さです。しかし、物語を語る時、人はしばしば極度にアンバランスな描写をするものです。
    「それでね、おばあちゃんは、船で遠くへ連れて行かれちゃうんだ。それはもう、見上げるような高さの船でね。」
    こんな風な、ある種無責任というか、その場限りで思いつきを連ねてゆくような語りが、なんとなく聞こえてくるのです。

  6. みっこ Says:

    こんなに早くコメントされているとは思いませんでした笑

    祖母と孫という関係は即興説には関係ないとおっしゃいましたが、ラストに出てきたおじいさんシャンピオンが、おばあちゃんに語りかけてるのだとしたら、それは不可能ですよね?
    そんなにおばあちゃんが生きていたらおかしい。

    映画の冒頭の方でシャンピオンの部屋に「自転車に乗るパパとママ」と題された写真が貼ってある一部分があるんですね。
    だからあの2人の関係は祖母と孫で間違いないと思います。

    >こういった「タネあかし」的な部分を最後の最後まで伏せておくというのはよくあるんじゃないでしょうか

    とありましたが、その答えは、ちょっと答えになってない気がします。私が伺いたいのは、シャンピオンが祖母のために即興話をつくって、寝たきりのおばあちゃんのために語りかけている…とあなたが解釈する根拠はどこにあるのか?ということです。突拍子もないデッサンの船やマフィアによる誘拐、手榴弾で蛙捕り…など現実的ではないことばかりが起こるから、シャンピオンの作り話にしてしまうのですか?

  7. みっこ Says:

    字数がなかったのでこちらにも。

    これはアニメですよ!祖母の孫への愛の物語です!

    おばあちゃんが孫に捧げる無償の愛が全編を通して語られているんです。

    船の形が奇妙だったり、おばあちゃんの冒険が非現実だからといって、シャンピオンの即興話と勝手に解釈するのはちょっと筋が違うんじゃないかなーと思います。

    もちろんこの映画はリアルなアニメではないですよね。ファンタジーの方に属すると思います。

    だからこそ、非現実な事柄や描写もありなんじゃないですか?それこそがアニメの醍醐味なのですから。

    そうでなかったら実写の映画でもいいはずです。

    でもどんなにありえないことだらけでも、この映画の核でありテーマである「愛」はしっかりっかり表現されていますよね。

    でもおばあちゃんに孫が語りかける…という発想もとても美しくてステキだと思います。

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