アーカイブ ‘ 2004年 6月

ソフトウェア開発技術者

取得しました。なんの役に立つのかよくわかんないけど。就活済んでるし。自己満足かな。合格率15%ってのは、いまいち自慢にはならない数字だ。

巨像虚像

「あの人の前では本当の自分になれない」「本当の自分を出せない」「本当の自分をわかってもらえない」

思い込みです。そもそも、本当の自分、なんてものは幻想です。あなたが隠しているもの、わかってもらいたいものは“本当の自分”なんていう大きなものではないんです。もっともっとずっと小さな。せいぜいその小さな手でどうにかカバーできるような、ちいさな秘密じゃあないんですか?

SOMA一人芝居

以前僕が出演した「ひとりしばいナイト」主催者のSOMAさんによる一人芝居公演。人格の切り替わる速さが実に鮮やか。一人芝居ならではの表現もギャグも、ユニークで面白かったです。

合理主義者に100の質問

「100問って、多すぎると思いませんか?」「はい。」

「何問がちょうど良いでしょうか。」「2問。」

設計と製造

就職予定先から招待状が来たので、ビッグサイトで催された「設計・ソリューション展」(他2展)に行って来た。設計から資源、在庫管理、マニュアル製造にいたるあらゆる情報を一元管理、再利用しようという動きが急速に進んでいるらしい。僕の就職先もそんなIT企業の一つだ。

入り口で名刺1枚と引き換えにバーコードの付いた名札を受け取る。各ブースで名刺を渡す代わりに、バーコードをピッと読み取ってくれる。かなりの量の紙の節約になると同時に、各企業が個別に名刺を打ち込む手間もなくなる、素晴らしい仕組だ。原色ベタ塗り衣装を着たコンパニオンが景品と引き換えにバーコード読み取りを要求してくる。こういうバイト、面白そう。僕が女の子だったらね。

簡単に言うと、設計部門と製造部門に分かれていたのだが、この両者の格差が面白かった。製造部門にはコンパニオンは一人もいなくて、抽選会もなし。前世紀と新世紀みたいな差だ。製造部門には「中国」と銘打ったエリアが設けられており、中国の企業が自社のサンプルをたくさん並べている。一方で設計部門には「中国進出をお手伝いします」なんていう国内コンサル企業がスペースを構えている。なんだこれは。世界の縮図を見たような気分。

平和の森

平和の森というタップダンスのパフォーマンスグループのライブを見てきた。タップ3人にベースとピアノとヴォーカル。ダンサー3人はそれぞれ個性的で、ヴォーカルの軽妙なトークも良好。良い素材が適切に調理された贅沢な味わい。しかもそれを目の前で見られるというのはやっぱり気分が良い。

リーダーは小柄な女性であったが、やはりさすがリーダー、これだけの才能を寄せ集める吸引力を感じる。たまにマイクを受け取っては、簡単な挨拶や昔話をぽつぽつと語る。溢れるほどに楽しげなリズムの向こう側に、彼女が辿ってきた数々のエピソードが垣間見える。

大脱出イリュージョン

後楽園を経由して秋葉原へ自転車をすっとばす。ついさっきコンビニへ寄ったのだが、100%ジュースを飲みたかったためにペットボトルではなくて紙パックを選んでしまった。こう飛ばしながらでは飲めない。無造作にカバンと一緒に前かごに入れ、目的地に到着してからのお楽しみとする。

方角をおおまかに把握して、見知らぬ道を駆け抜ける(漕ぎ抜ける、か?)左手側が秋葉原なんだよなぁ、と思いつつ、左折しようとするとものすごい急な上り坂が見えるので、ついつい直進。どんどん南下してゆく。有楽町、とかいう道路標識が出てきて、焦る。(実際はそれほど焦る必要はない。道路標識は、距離感を自動車に合わせているからだ。)道すがらの商店街地図などを瞬間的に映像で記憶し、走り続けながら解析(言うほど精度は良くない)。

それほど遠回りせずにちゃんと目的地に着いた。我ながら良い勘だ、なんてこっそり感心。問題は、前かごのカバンの下敷きになっていたグレープフルーツジュースが、すっかりカラッポのペチャンコになってたこと。いつの間に抜け出したのか。全然気づかなかったぜ。あーがっかり。

東京横断

去年の初夏、高校時代の友人I氏からメールが届いた。演劇をやり始めた、などと言う。ぜんぜんそんな柄ではなかったのでびっくりしたが、僕もちょうど即興劇を習い始めた頃で、不思議な偶然が嬉しかった。京都に住んでいたが、この4月から実家埼玉に帰ってきた。

今日は彼に、僕の最近のお気に入り即興公演「だんすだんすだんす」を見せるために新宿まで連れ出した。近頃散歩に凝っている、というので、御苑前まで徒歩。偶然無料公開日とかで、御苑の奥のほうまで行けたのはとてもラッキーだった。東京とは思えない人の少なさ、森の深さ。いい気分だ。遅めの昼食は、野菜が自慢、と銘打った小さなレストラン。なるほど野菜がおいしい。

観劇後、もっと歩くか、ということで二人でどんどん東へ歩き、暇そうな迎賓館をかすめ、暇じゃないはずなのに休日の最高裁判所を眺め、意外と狭い日比谷公園を経由して、結局東京駅まで踏破。荷物も軽くはなかったので本当は途中で休憩をしたくなったが、暗黙の了解で我慢大会になっているのは男子校魂だろうか。

再会

それまで毎日のように目にしていたから、1週間の入院は実に長かった。もうすぐ会えると思うだけで胸が高鳴る。姿が目に入った瞬間の、なんとも言えぬ愛おしさ。センサライトみたいに、ぱっと表情が明るくなる。ゆっくり手を伸ばして指先で触れると、そのまま勢いでぎゅっと抱きしめてしまいそうだったが、周囲の数人の目のせいか、自制した。(このあたりのブレーキはきつめに調整されてるらしい)。

「おかえり。」小さな声でそっと言ってみた。返事はない。それでいい。

3箇所の傷は、綺麗に治っていた。小さな傷だったが、それらが消えただけで全体の印象が良くなったように感じる。高価と感じた治療費も、まあいいか、なんて思えた。

一緒に帰ろうとした矢先に、ふとした違和感を感じた。それはほんの僅かなエラーだったが、僕は見逃さなかった。部品が1つ、足りない。

涙を呑んで一人で帰った。Tiggerは僕の最愛のノートPC。明後日までお預け。

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