即興体験
2ヶ月ぶりで、インプロのワークショップが再開。いろいろ盛りだくさんの150分だったが、その中から2つほど、即興の産物を紹介しよう。
その1。無声劇。目の前にグランドピアノがあった。とても高級そうなものだ。慎重に鍵盤をたたいてみると、なにやらおかしな音がする。中を覗いて見ると、糸状のものが絡まっていた。指でつまみあげて、一度は床にぽいと捨てたのだが、気になってもう一度拾い上げてよくみてみると、これが結構長い。ほどいてゆくといくらでも伸びていきそうな糸くずだった。手ごろなものが無かったので鍵盤に巻きつけることにした。鍵盤の端から端まで、10回近く巻いたところで糸はすっかりほどけた。
さてようやくピアノを弾こうと思って鍵盤に向かった瞬間。それは、一度も見たことのない楽器だった。僕は右手で鍵盤を弾きながら、その上に琴の様に張られた横糸を左手で爪弾いた。
その2。女性の役でした。お金持ちの元カレは、私の欲しいものは何でも買ってくれたんだけど、なんでもお金で解決しようとするところがあって、そこがどうしても我慢できなくて、去年、お別れしました。そのちょっとあとに、とっても平凡な出会いから始まった今のカレは、貧乏だしちょっとドジな感じで間の抜けた人だけど、温かみのある素敵な人です。実は今日、私の誕生日祝いにって、カレが指輪をくれたのです。それは、以前私がつけていたものより、モノとしては劣るけれど、とっても嬉しかった。貧乏なカレにとってはかなり無理な買い物だったはず。どうやら、お兄さんにお金を借りたんだって。そのお兄さんと言うのが、、、
金持ちの元カレだったってことにその瞬間なっちゃって、「僕」は強烈なショックで10分くらいほんとに立ち直れませんでした。あー、お芝居でよかった。笑。